れっつともばたらき

30代サラリーマン共働き夫婦が家事に取り組むブログ

家賃補助が5万円出るからといって家賃負担が5万円下がるわけではない(実際は約3.2万円)

こんにちは。共働き夫のうまそえおさむです。

突然ですが、会社からもらえる家賃補助(または家賃手当・住宅手当)は課税対象であることはご存じでしょうか。

私は社会人になってから結婚するまで、家賃補助が課税対象ということを知らず、家賃補助が月5万円なら手取り額も単純に月5万円増えるものと思って、賃貸物件を選んだりしていました。

しかし、実際にはその5万円には所得税、住民税、社会保険料が課税されるため、手取り額としてはだいたい3.2万円ほどになります。

この記事では、家賃補助の手取り額の計算方法を紹介したいと思います。

家探しをされている方や、共働き夫婦で生活費を折半しようとしている方などに参考にしていただけると幸いです。

なお、この記事でいう「家賃補助」とは、会社が従業員に福利厚生の一環として家賃の一部を支給する仕組みのことをいいます。

会社によっては家賃手当や住宅手当といったりもしますが、この記事では家賃補助に統一します。

また、似たような制度として「社宅制度」がありますが、こちらは会社が借りている部屋の家賃の一部を従業員が支払うものですので、今回は対象外です。

家賃補助にかかる税金を計算

前提条件(Aさんのケース)

今回は以下のAさんのケースを前提として計算しました。

Aさんのケース

・東京都在住
・賃貸アパート
・4人家族(夫婦+子ども2人)
・フルタイム共働き
・夫の年齢:30歳
・夫の年収(額面):500万円
・家賃補助額(額面):月5万円
社会保険料等の金額:30万円
・生命保険料の控除額:3万円 
・4月から6月の平均の額面給料:30万円

Aさんの場合、年間の額面給与は家賃補助を受給する前後で500万円→560万円(差額:60万円)に上がります。

それに伴って、年間の課税所得は275百万円→323万円(差額:48万円)に、月当たりの課税所得は229,167円→269,167円(差額:4万円)に上がります。

課税所得の計算は、次のような計算サイトに条件を入力して算出すると簡単に分かります。

keisan.casio.jp

家賃補助受給前後では家賃補助を受給するか否かでしか変わりませんので、ここで差額として表した金額が、家賃補助分の金額になります。

つまり、家賃補助月5万円(年間60万円)の課税所得は月4万円(年間48万円)ということになります。

家賃補助 給与所得(年間) 課税所得(年間) 課税所得(月額)
受給前 5,000,000 2,750,000 229,167
ー受給後 5,600,000 3,230,000 269,167
差額 600,000 480,000 40,000

 

所得税

所得税の税率は、課税所得に応じて5パーセントから45パーセントの7段階に区分されていますが、Aさんの場合は家賃補助受給後の年間の給与所得が560万円なので、3,300,000円から6,949,000円までの間に位置し、税率は20%となります。

よって、所得税の増加額は家賃補助の課税所得:年間48万円×税率20%=96,000円(年間)となります。

  課税所得(年間) 税率 税額(年間)
所得税 480,000 20% 96,000

 

住民税

東京都に住んでいる場合、住民税の所得割額の税率は「都民税4%」「市町村民税(特別区民税)6%」という標準税率が定められています。

よって、住民税の増加額は家賃補助の課税所得:年間48万円×税率10%=48,000円(年間)となります。

  課税所得(年間) 税率 税額(年間)
住民税 480,000 10% 48,000

 

社会保険料

社会保険料は健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料、雇用保険料などがあります。

社会保険料は4月から6月の3か月間の平均の額面給与を基に決定し、そこで決定した保険料は9月から翌年8月まで適用されます。

 

健康保険料、厚生年金保険料

健康保険料は、「令和4年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表」の報酬月額から該当する金額を探します。

Aさんの場合の、4月から6月の平均の額面給与は30万円ですので、標準報酬月額が30万円となります。(青色でマークした部分)

介護保険料は40歳から支払うものですので、まだ30歳のAさんは対象外です。

また、健康保険料と厚生年金保険料は会社と従業員で折半します。

よって、「社会保険第2号被保険者に該当しない場合」の折半額:14,715円と厚生年金保険料の折半額:27,450円が、標準報酬月額30万円の人の健康保険料と厚生年金保険料になります。(青色でマークした部分)

保険料額表(300千円)

www.kyoukaikenpo.or.jp


【引用協会けんぽ 東京都 令和4年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表】

年間の健康保険料と厚生年金保険料を表にまとめると以下のようになります。

家賃補助 標準報酬月額 健康保険料 厚生年金保険料
受給前 300,000 14,715 27,450
受給後 340,000 16,677 31,110
差額 40,000 1,962 3,660

 

雇用保険

雇用保険法の改正により、2022年度10月から労働者の雇用保険料率が0.3%→0.5%に引き上げられるため、ここでは0.5%で計算します。

家賃補助 標準報酬月額 雇用保険
受給前 300,000 1,500
受給後 340,000 1,700
差額 40,000 200

合計すると

それぞれの差額(健康保険料:1,962円、厚生年金保険料:3,660円、雇用保険料:200円)の合計:5,822円が月当たりの社会保険料の増加額となり、年間の社会保険料の増加額は69,864円となります。

所得税、住民税、社会保険料の年間の増加額をまとめると以下の様になります。

  課税所得(年間) 税率 税額(年間)
所得税 480,000 20% 96,000
住民税 480,000 10% 48,000
社会保険料 480,000   69,864
合計     213,864

 

所得税、住民税、社会保険料の増加額:213,864円(年間)→17,822(月額)ですので、額面の家賃補助50,000円に対して、50,000円-17,822円=32,178円が実際の手取りの家賃補助の金額になります。

まとめ

今回は家賃補助の手取り額を計算する方法を説明しました。

家賃補助は、会社によっては世帯主にしか支給されないなどのルールがあり、共働き夫婦でもどちらか片方しかもらえない場合が多いと思います。

一方で、家賃を含めた生活費を毎月折半している共働き夫婦も多いと思います。

そんな方にとっては、額面ではない本当の家賃補助の金額を知り、毎月の折半する金額に反映することで、夫婦間のお金の負担をより公平にすることできると思います。

以上、共働き夫のうまそえおさむでした。